結婚について考える
|
|
|
彼女と会ってから、すぐに結婚式場へは向かわなかった。
とりあえず、とカフェに向かい、少し話しをすることにしたのだ。
結婚資金をどうするのか?
|
|
|
先日聞いた100万円以下という貯金。
彼女自身が貯めているのはその程度でも、じつは実家に食費と称して入れていたお金を両親が貯めてくれている、とか、結婚資金は親が貯めてくれているとか、そんな希望的観測で聞いてみることにした。
が、彼女から返ってきた答えは、食費や家賃として実家に入れていないから、両親が貯めてくれていることはないし、特にお金を出してくれると言われたこともないそうだ。
じゃあ、結婚資金はどうするつもり?
オブラートに包むこともせず、思わずストレートに聞いてしまった。
ご祝儀もあるんだし、なんとかなるでしょ?
思わず、引いてしまった。
もし、足りなかったらどうするつもりなんだ?
祝儀なんて、ある程度で考えることは出来ても、その細かい額まで先に計算するのは難しくないか?
ぼくは、それとなく彼女に結婚式から新婚旅行までのお金の流れを聞いてみた。
彼女が考えるプランはこうだ。
彼女が見つけた60人で160万程度のプランで結婚式をし、新婚旅行は安い海外プランの旅行で十分だから、ご祝儀の余ったもので行ける程度のところを選ぼう、と。
じゃあ、新居の準備は?ときくと、あっさりと、
「そこまでは考えてなかった。」
それなりのアパートを1から準備すると、100万近くはかかると友達から聞いた、と教えてあげると彼女は驚いていた。
そして、
「さすがやね。」
と、ぼくを褒めてくれたのだが、嬉しくはなかった。
もう、現実的に、彼女と今現在、結婚式を挙げるのは不可能だな、とは思ったのだが、とどめを刺すためにも、せっかくなので、とその安いプラントやらを聞きに行ってみることにした。
式場を予約しに行くわけではないし、見積もりはタダだし。
今は彼女に現実を見てもらうのが一番良いだろう、と考えて。
連絡もせずに来たのだが、この日は仏滅。
それほど忙しくないらしく、週末だというのに快く対応してくれた。
彼女が持参した雑誌を取り出し、見積もりをお願いする。
これが、彼女ほど楽天的に考えていないつもりのぼくも驚く結果になってしまったのだ。
|
|
|
|
|
|