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状況の変化


彼女と初めてホテルの結婚式場を見に行ってから、
彼女の結婚に対する気持ちが変わってきたようだった。

いくら綺麗なホテルやチャペルを見ても、男のぼくには結婚に対する憧れもなければ、綺麗な衣装を着たい、という欲も湧かない。

気持ちの上昇する彼女とは正反対に、どこか、逃げたくなるような不安な気持ちさえあったのだ。

ところが・・・。
今までとは、状況が変わってきてしまった。

彼女がなりゆきで、ご両親に結婚式場めぐりのことを話してしまったのだと・・・。

まだ、プロポーズもしていなくて、完全に結婚を決めたつもりでもなかったのだけれど、いつの間にか状況が変わってきたようで、もやもや感がぬぐえない。
逆転した状況で、ごあいさつに伺うのも、変な気もするし、どこかでまだ納得できていない自分もいるような気がする。

今さら、真剣に考えていたわけではない、なんて言えないではないか。

しかも。
彼女は両親に、ぼくに、あのうるさい親戚のことを話したら理解してくれて、簡単な結婚式ではなく、ちゃんとした結婚式をしようと、ホテルを回っているのだ、とまで話したそうなのだ。

たぶん。
ぼくの株を上げるためにそう伝えてくれたようなのだが、ニュアンスがずいぶん違ってしまっている気がしてならない。

まだ、結婚しよう、と言った覚えもないし。
暇つぶしに結婚式場をめぐろう、と最初に言いだしたのは彼女だし、まぁ。暇だしいいか、という程度でOKしたまでだ。
心で、そう反逆するだけの、気が弱いぼく。

こうなってしまったとき、他の人はどう対処するのだろう?

今さら、結婚を真剣に考えていたわけではない、とはっきり言ってしまう方が良いのだろうか?
結婚するための資金も、意識して貯めているわけではないし。
そりゃ、それなりに、普通に貯金はしているが、どれくらい貯めれば良いのか見当もつかない。

こんなんで、本当に結婚することになってしまうのだろうか・・・。

仕方ない。
今度、結婚した連れにでも、聞いてみるかな。



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